2050年カーボンニュートラルに向けて、国も企業も脱炭素化に向け、積極的に取り組んでおり、今後さらにその取り組みを強化、加速させている。一方、日本の生活者は、先進諸国に比べ環境問題に関する意識が低いといわれている。
そこで今回、環境ビジネスでは、脱炭素化やその対策に直接関り、脱炭素化に見識がある本誌「環境ビジネス」読者と、環境問題意識が低いといわれる一般生活者の双方に、カーボンニュートラルに関する意識調査を実施。調査結果を基に、脱炭素の意識、行動がどの程度浸透しているのか、環境関連の見識者と比較検証を行った。
脱炭素化意識は高いが、実行は『国や企業』任せの傾向


環境ビジネス読者268名(オンライン読者2000名に一斉調査依頼した回答者)、および全国42都道府県の一般生活者300名(男性150名、女性150名、20歳から80歳代/中央値56歳)を対象に、「気候変動化(脱炭素)意識調査」(期間:2024年5月10日から17日まで)としてアンケートを実施した。
その結果、脱炭素化は幅広い層に浸透しており、環境意識が高い層であろう弊誌読者同様に、生活者の関心も高いことがうかがえた。また、脱炭素への取り組み意識や実態では、弊誌読者は、国や企業依存が高く、生活者は当事者意識をもって脱炭素を捉えていることがわかった。
脱炭素化は、企業価値を高め、発展させる契機であることから、企業経営の規制に従うという受け身の取り組みになっていないだろうか
国が実施した国民意識調査でも、日常生活において、脱炭素に向けた行動を3人に1人が実施していると答えている。その理由・背景については、「一人ひとりの行動が重要だと思うから」が最も高く、「地球温暖化による大雨や熱帯夜の増加など悪い影響を懸念しているから」とともに、半数以上の人の行動理由となっている。また、「地球温暖化は人類の活動によるものであり、私自身も脱炭素に向けた取組みを実践しなければならない」との考え方に約6割の人が賛同しており、脱炭素への取り組みに対して、多くの人が義務を感じていると考えられる。
一方、国際比較の調査結果では、気候変動対策は生活の質を向上させる機会であるとの考え方に賛同した人は、多くの国で過半数を超えたの対し、日本は少数派にとどまり異なる傾向となった。
世界が脱炭素経営へと舵を切っているのは、気候変動が人類のリスクと捉えられているが、日本は少し違うようだ。国際的なESG投資の潮流の中で、企業価値の向上に直接つながるとして、脱炭素経営に取り組む企業姿勢を強調しているように見える。