近年、サイバー攻撃の標的は大企業にとどまらず、中小企業にも広がっています。攻撃の手口も、ランサムウェアやサプライチェーンを通じた侵入など、巧妙化しています。
たとえば、2024年6月に大手出版社グループがランサムウェア攻撃を受け、複数のサーバーにアクセスできない障害が発生、復旧まで2カ月以上を要しました。また、徳島県のある病院では、攻撃を受けた結果、わずか1〜2日で2〜3億円規模の損失が発生しました。
サイバー攻撃からの完全な復旧には時間がかかるケースが多く、その間の生産性の低下が売上に深刻な影響を与えます。
中小企業も例外ではなく、ランサムウェアの被害件数が増え続けています。サイバー攻撃の実行者は、セキュリティが強固な大企業よりも、対策が不十分な中小企業へターゲットを広げている傾向があるといえるでしょう。
大企業と比べて、中小企業はデジタルリテラシーが不足していると考えられ、たとえDXを推進している企業であっても、デジタル技術の導入に比べてセキュリティ対策が後手に回っているケースも少なくありません。
攻撃件数、被害額、復旧期間といった具体的なデータに触れ、サイバー攻撃が「ITリスクは大企業だけの問題」といった認識を改め、「自社も狙われるかもしれない」という危機意識を持つことが求められます。
その状況に対して、近年は自社サーバーからクラウドへの移行を後押しする国の制度が推進されており、データ管理のあり方にも変化が見られます。
中小企業もこうした動きを活用しながら、サイバー攻撃が自社の経営を左右すること十分に理解し「サイバーBCP(代替手段や手動対応を含む計画)」の策定に取り組むことが急務です。