ページトップ
導入事例

愛知学院大学名城公園キャンパスさま(愛知県名古屋市)

取材日2014年9月
愛知学院大学名城公園キャンパスさま

人・街・未来をみつめた環境と安心の最新設計
最先端の技術・設備を採用した次世代型エコキャンパス

環境性の高い立地特性を活かし、「低炭素化推進プロジェクト」を展開

1876年(明治9年)に創設され、130年以上の歴史を誇る愛知学院大学さまは、中部圏においてもっとも伝統ある大学のひとつとして知られています。従来からある日進キャンパス(愛知県日進市)、楠元・末盛キャンパス(名古屋市千種区)に加え、2014年4月に新たに開校したのがこの名城公園キャンパスです。名古屋の都心部という立地性を活かし、商学部・経営学部・経済学部のビジネス系3学部が集結し、企業・行政・地域とのさまざまな連携を図りながら、学生が実践的に社会と向き合える学びを展開しています。
同キャンパスは隣接する緑豊かな名城公園の環境性も意識し、先進の省CO2技術を結集した次世代型エコキャンパスとして、「低炭素化推進プロジェクト」を展開しています。

目前に広がる名城公園

平成24年度第1回 国土交通省「住宅・建築物省CO2先導事業」採択事業の指定を受ける

愛知学院大学名城公園キャンパスさまは、大学と総合監修者、設計・施工会社、エネルギー事業者が一体となって、省CO2、電力需給対策、防災などに取り組む「低炭素化推進プロジェクト」の効果検証をおこなう施設として、 平成24年度第1回 国土交通省「住宅・建築物省CO2先導事業」採択事業の指定を受けています。事業実施期間は平成24年度から27年度までの4年間。その期間をかけて、地域特性を活かした環境配慮型の建築、自然・未利用エネルギーの活用、多様な分散電源、最新の電気・ガス空調などの導入によるさまざまな効果を検証し、今後、他のキャンパスや大学施設などへ展開・波及させていく考えです。「低炭素化推進プロジェクト」に、エネルギー事業者として参画させていただいている中部電力としては、建築・設備計画の策定初期から継続的に提案活動を展開。愛知学院大学さまはじめ建設関係会社さまと協議しながら、補助金取得に向けさまざまなご提案をさせていただきました。

同キャンパスの計画段階から、大学側の施設事務部門の担当として低炭素化推進プロジェクトに関わってきた山田さまはその意義をこう語ります。
「先導性が評価され、補助事業に採択いただいたことで、通常は中々取り組めない技術分野やシステムの導入に踏み込めました。
私たちだけではなく、設計会社、建設会社、エネルギー事業者のみなさんにとっても、実際に効果検証やデータ分析ができ、次の施策につながるいい場になっているのではないでしょうか。ここで得られたことを社会にフィードバックしていく義務もこのプロジェクトにはありますし、お役に立てたらうれしいですね」

愛知学院財政部管財課
課長補佐(当時)
山田義丈さま

定期的なワーキンググループ活動を通じ、省CO2推進と良質な学修環境の実現を図る

愛知学院大学さまでは、省CO2の取り組みを継続的に実施するために、省CO2推進化委員会を組織し、さらに専門的な技術検証をするために中部電力をはじめ、名城公園キャンパス建設に携わった企業、学識経験者たちによりワーキングを実施しています。

多様なエネルギー源を持つシステムの最適運用は今後のテーマ
しかし、効果が発揮される手応えは十分

愛知学院大学名城公園キャンパスさまを支える施設・設備は、電力とガスによる最新の熱源システムが採用されています。機器としては「高効率空冷ヒートポンプモジュールチラー」をはじめ各種高効率機器を導入し、最適なエネルギー運用を実施するべく、ワーキンググループにて検証をおこなっています。
また、電力負荷が増大する夏季の電力需給対策を考慮し、多様な発電方式と蓄電池を組み合わせたシステムを構築し、デマンド抑制に効果を発揮しています。

愛知学院大学さまの各キャンパスにおいて、30年近く一貫して施設管理を担ってきた山本さまは、現状の使用状況やこれからの手応えを次のように語ります。
「電気とガスが補完しあいながら、自然エネルギーも加わるシステムは正直なところ複雑です。新しい設備や機器というものは、導入してすぐに最適な運用ができるものではありません。その特性を実際につかみながら、季節、気温などの条件もひと通り経験して、徐々にコミッショニングやチューニングを施して、一番ベストな運用方法を確立していくわけです。ただ、私の長い経験から見ても、このシステムなら想定している省エネやCO₂削減の効果は必ず目に見えるかたちで発揮されるだろう、という確かな感触はあります」

高効率空冷ヒートポンプモジュールチラーは、空調の制御がしやすいという
財政部管財課 技術主任(当時)
山本祐治さま

BEMS導入による中央制御でエネルギー使用を最適化。「見える化」も推進

キャンパス内の空調や熱源など、施設・設備の制御・管理については、愛知学院大学さまから中部電力グループの株式会社シーエナジーが委託を受け、その運用を一手に担っています。専門スタッフがキャンパス内のエネルギーセンター(中央監視室)に常駐し、電力エネルギーだけでなく、ガスエネルギーも含めたトータルなシステム制御・管理を一元化。エネルギーの使用状況を細かく管理して情報共有し「見える化」することで、快適性を確保したうえでのランニングコスト削減やデマンド抑制に取り組んでいます。

「シーエナジーさんに外部委託させていただいた大きな理由は、エネルギーマネジメントの実績とノウハウが優れているからです。計画段階から費用対効果の高い提案をしていただけましたし、今後の運用についても、私たちとコミュニケーションを図りながら、実効性のある運用でエネルギーコスト削減や保守管理に努めていただけると期待しています」(山田さま)

キャンパス内のエネルギーセンターに常駐するシーエナジーのスタッフ
エネルギーの運用状況などは細かく監視。データ化し分析している

名城公園のクールアイランド現象、涼風効果を積極活用
クール&ヒートピットでは外気負荷を大幅に低減

キャンパスの目前に広がる緑豊かな名城公園では、公園周辺の気温が低下する「クールアイランド現象」が確認されており、夏季にはキャンパス敷地内の気温低下の効果も期待できます。涼風も吹き抜けることから建物を4棟に分棟配置し、空調エネルギー負荷を低減する工夫がなされています。
また、各建物の地下にはすべてクール&ヒートピットを設置。地中熱の自然特性を活かし、取り込んだ外気の温度を一旦冷やしたり、暖めてから空調機に投入することで冷暖房にかかるエネルギーの低減を図っています。

名城公園からの涼風の流れ
クール&ヒートピット。地中熱を利用し省エネに貢献する

良質で快適な学修環境を整備し、学ぶ意欲をバックアップ

「学び」を支える環境の整備にも力を入れ、すべての教室や講義室に温度ムラができにくい空調システム「誘引放射整流空調」の導入により、快適な学修環境を実現しています。
実際、学生たちからもその快適性は好評を得ているとのこと。「このキャンパスが開校して初めての夏を越しましたが、空調機からの風を感じず、嫌な冷え方もしないのでとても快適だという声は、学生たちからあがってきているようです。冬場の暖房時にどうなるかはまた検証していきたいですね」(山本さま)

誘引放射整流空調のシステムイメージ
サーモカメラによる教室の温熱環境
LED照明と一体化したスマートな空調室内機

高度な防災自立機能を備え、災害時における自治体との連携も視野に

近年、防災意識が高まる中、愛知学院大学名城公園キャンパスさまにおいても防災自立機能の確立を重要視し、非常時にもライフラインを自力でまかなえる体制と最新技術によるシステムを構築しています。学生や職員の安全を確保するだけでなく、災害避難拠点としての貢献も地域と共にある大学の役割と考え、自治体や行政との連携も検討しているとのこと。
「このキャンパスは非常時対応として、多様で高機能な設備を持っていますので、単なる避難場所というだけではなく、災害時にはさまざまなかたちでお役に立てるのではないかと考えています。災害時における本キャンパスの役割について、名古屋市や区役所とも協議を進めているところです」(山田さま)

井水を利用した高効率ヒートポンプエアコン
非常用発電機の燃料として軽油5000Lを備蓄
取材こぼれ話

若者に人気のカフェが出店。近隣住民もくつろぐ憩いのスペースに

くすのきテラス(食堂棟)2階には一般テナントとして名古屋地区の若者に人気のおしゃれなカフェが出店しており、キャンパスの学生たちだけでなく、近隣の住民の方たちも気軽に利用しているとのこと。
取材に訪れた日も、小さな子供連れの若いお母さんたちのグループが、楽しそうにソファでカフェタイムを愉しんでいました。
メニュー価格も通常の店舗より、少しお値打ちな設定だそうです。

若者に人気のおしゃれなカフェが出店

平成24年度第1回 国土交通省「住宅・建築物省CO2先導事業」採択事業の指定をうけ、「低炭素化推進プロジェクト」の実証実験をおこなう愛知学院大学名城公園キャンパスさま。私たち中部電力もプロジェクトメンバーの一員としてエネルギー事業者の立場から作業協力をさせていただいております。ここで実証されていくさまざまな導入効果や運用方法などを、社会に還元していきたい、という愛知学院大学さまのお考えを実現するため、全力でサポートしていきたいと思います。

CO2削減量やエネルギー使用量などを「見える化」したモニター

導入システム

  • 高効率空冷式ヒートポンプモジュールチラー
  • 地中熱利用ヒートポンプエアコン
  • BEMS
ページトップへ戻る