一般社団法人の再エネ100宣言 RE Action協議会(東京都千代田区)は10月31日、政府で検討を進めている第7次エネルギー基本計画の策定と次期地球温暖化対策計画、日本の次期温室効果ガス削減目標(NDC)に対する要望書を公表した。再エネ比率の引き上げとともに、中小企業がエネルギー政策の議論に参加する機会を設けることを求めた。
再エネ比率の引き上げとエネ政策議論に中小企業の参加を要望
再エネ比率の引き上げでは、2035年をターゲットとした日本の削減目標において、国際社会が目指す数値を目安とすることを要望した。国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)では、世界全体の温室効果ガス排出量を2035年までに2019年比で60%削減する必要があることが改めて認識され、2030年までに再エネの発電容量を3倍にすることが合意されている。
中堅・中小企業の議論参加では、エネルギー基本計画と次期地球温暖化対策計画、日本の次期温室効果ガス削減目標(NDC)の検討にあたっては、率先して再エネ導入に取り組む中堅・中小企業が電力需要家として議論に参加できる機会を設け、具体的な課題やニーズを政策に反映させることを求めた。
再エネ100宣言RE Actionとは
再エネ100宣言RE Actionは、中堅・中小企業、自治体、教育機関、医療機関などが使用電力の100%再生可能エネルギー化を宣言することで、再エネ利用を促進する枠組みのこと。再エネ100宣言 RE Action協議会が運営している。
2024年10月31日時点での参加団体数は386団体で、外務省、環境省、防衛省、都道府県庁、政令指定都市など19団体がアンバサダーとして参加している。
10月28日には、山田養蜂場本社(岡山県鏡野町)、マルワ(愛知県名古屋市)、いわて生活協同組合(岩手県滝沢市)、兵庫県信用保証協会(兵庫県神戸市)が再エネ100宣言 RE Actionに参加したことを発表した。このうち、山田養蜂場本社は、2040年までに再エネ100%を達成することを目標としている。
要望書の概要と要望の背景
要望書の概要や要望の背景は以下の通り。
1.5度目標の達成に向け、日本の電源構成における再エネ比率を国際的な水準に引き上げることを要望
日本の企業数の99.7%を占めている中小企業が国内外のサプライチェーンにおいて競争力の維持・向上を図る上で、脱炭素経営は大きな課題であると同時にチャンスでもある。使用電力の再エネ化は脱炭素経営の効果的な取り組みの一つであり、多くの企業が再エネ電力を経済合理的、かつ安定的に導入できるようにするためには、まず日本全体の再エネ比率を国際的な水準に引き上げる必要がある。
この要望の背景として、気候危機を受けて、取引先からCO2排出量の把握や削減目標の設定、使用電力の再エネ化を要請される中堅・中小企業が増えていることをあげている。企業の脱炭素の取り組みにおいては、スコープ1・2だけでなくスコープ3の排出量への関心が高まっており、サプライチェーン全体の排出量を削減する動きが出てきている。大企業のみならず中堅・中小企業においても、再エネの導入状況がサプライヤーとして選ばれる基準の一つになりつつあり、脱炭素に取り組まないことはサプライチェーンから排除されるリスクにつながる。
たとえば、日本商工会議所による「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」では、およそ1/4の企業が、取引先から電気やガスの再エネ化など何らかの脱炭素に関する要請を受けていることが明らかになっている。
中堅・中小企業が電力需要家としてエネルギー政策の議論に参加する機会を設けることを要望
脱炭素経営に積極的な中堅・中小企業は、エネルギーの地産地消につながる再エネ電力メニューを優先的に選択したり、自ら所有する太陽光発電設備を地域防災に役立てるために自治会と協定を結んだりして、地域にとって望ましい形で再エネ導入に取り組んでいる。しかし、企業が自助努力によって使用電力の再エネ比率を高めるには限界があるため、実効性が高く利用しやすい再エネ導入支援制度の拡充が必要である。
この要望の背景として、中小企業の再エネ導入を後押しする制度はあるものの、その実効性は十分とはいえず、事業性の判断の難しさや調達方法の複雑さを理由に再エネ導入を見合わせるケースがあることをあげている。
再エネ100宣言 RE Actionの参加団体を対象としたアンケートでは、半数以上が「費用対効果の見極めが難しい」ことを再エネ電力の調達における問題点・課題として指摘している。また、屋根置き太陽光発電を導入しても、使用電力を全て自家発電で賄うことは難しく、再エネ電力割合を上げるためには他の調達方法を組み合わせなくてはならないことも課題となっている。

