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食品ロス削減へ、企業が賞味期限の延長加速 国「安全係数」見直し方針

最終更新日: 2024年12月25日

食品ロス削減に向けて、小売事業者や食品メーカーの間では、賞味期限延長などの対策を講じる動きが広がっている。

公益財団法人流通経済研究所(東京都千代田区)が実施した最新調査によると、2024年10月時点で賞味期限を延長する事業者の数は、2023年同月比で30%超増加。政府は賞味・消費期限算定の目安「安全係数」を見直し、企業の取り組みを後押しする。

賞味期限延長、2023年比33%増

調査結果によると、納品期限を緩和する小売事業者(予定含む)は前年より42社増加し339社に達した。賞味期限表示を大括り化した食品メーカーは、32社増え350社となった。

賞味期限の延長に取り組む企業は359社に上り、2023年の269社から33%の大幅増という結果となった。

賞味期限を延長する企業が急増(出所:流通経済研究所)
賞味期限を延長する企業が急増(出所:流通経済研究所)

同研究所によると、賞味期限の延長に取り組む企業のうち、2024年7月以降に延長を考えている食品メーカーは、アヲハタ(広島県竹原市)、旭松食品(大阪府大阪市)、ニップン(東京都千代田区)、山田養蜂場(岡山県鏡野町)など。賞味期限を延長する品目を拡大する企業が多いが、初めて賞味期限を延長する企業もある。

ダノン、全6ブランドで賞味期限延長

ダノンジャパン(東京都目黒区)は2024年10月、国内で製造する全6ブランドのヨーグルトの賞味期限を一斉に延長することを発表した。2025年1月中旬から賞味期限を延長した製品を順次出荷し、同年2月1日以降は完全に新たな賞味期限表示に切り替える。

6ブランドの賞味期限を一斉延長(出所:ダノンジャパン)
6ブランドの賞味期限を一斉延長(出所:ダノンジャパン)

ダノンによると、賞味期限を延長するのは「ダノン ビオ」「ダノン オイコス」など6ブランド。従来の賞味期限は33~39日だったが、いずれも42日に統一する。食品ロス削減の一環で賞味期限を延長するために試験を実施し、安全性や品質に問題がないことを確認した。

消費者庁、賞味・消費期限延長を視野 2025年度中に見直し作業実施

メーカー各社による賞味期限延長の動きに呼応し、国も対策を始めた。

消費者庁は、スナック菓子やカップ麺など保存できる商品に使う賞味期限や弁当・おにぎりに適用される消費期限を算定する際の目安「安全係数」の見直すなどの方針をまとめた。

安全係数は各食品業界が定める賞味・消費期限の基準値にかける1未満の係数。国は「0.8以上」に設定することを推奨しているが、食品に問題があった時のリスク回避のため、食品の品目別で約4割が安全係数を「0.8未満」に設定しているという。

同省は今後、2024年5月に立ち上げた「食品期限表示の設定のためのガイドラインの見直し検討会」などを通じて、2024年度中にガイドラインをまとめ、2025年度中には、引き上げや撤廃の可能性も含め抜本的な見直し作業を行う。

環境省によると、日本における食品ロスの発生量は2021年度472万トン。ここ数年で発生量は2割程度減っている。国連が定めるSDGs(ゴール12、つくる責任つかう責任)では、2030年までに世界の食品ロスを半減させる目標が掲げている。食品ロスを少しでも減らすことは、大量消費国日本の責務といえる。