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2023年、世界のGHG濃度は過去最高に WMO発表

最終更新日: 2025年1月27日

世界気象機関(WMO)は10月28日、温室効果ガス(GHG)濃度に関する報告書「WMO Greenhouse Gas Bulletin No. 20」を公表した。CO2やメタンを中心とするGHG濃度が過去最高に達していることとに加え、森林や海洋といった炭素吸収源が、気象災害によって吸収効率を失いつつあることに対し、今すぐに行動が必要であることを訴えた。

GHGの主要な増加傾向

産業革命以前と比べると、現在のGHG濃度は異例の高水準に達しており、CO2は151%、メタンは265%、亜酸化窒素は125%増加している。

2023年、温室効果の60%以上を占めるCO2濃度は年間2.3ppm増加し、12年連続で2ppmを上回った。人間活動による化石燃料の燃焼が主な原因とされているが、カナダで発生した記録的な山火事によって、CO₂排出量が過去平均を16%上回る状況が観測されたことも要因となった。さらに、エルニーニョ現象による乾燥と森林火災が土地の炭素吸収能力を低下させ、さらなるGHG濃度の増加を引き起こしている。

1985~2023年の大気中の平均CO₂濃度の年平均成長率(出所:WMO)
1985~2023年の大気中の平均CO₂濃度の年平均成長率(出所:WMO)

温室効果の約16%を占めるメタン(CH4)は、2023年における増加量が前年度を下回ったものの、この5年間では最高レベルに達している。湿地や農業といった自然・人為的な発生源の双方が、メタンの排出を押し上げている。

温室効果の約6%を占める亜酸化窒素(N2O)の2023年の増加量は前年より低かったが、長期的な上昇傾向は続いている。

自然の限界は近い

報告書は、自然の炭素吸収源がこれ以上の増加に対応しきれない可能性を強調している。エルニーニョ現象の年には、乾燥した植生や森林火災が炭素吸収能力を著しく低下することがわかっており、さらに、温暖化した海洋のCO2吸収効率は低下することから、大気中に留まるGHG量が増え、地球温暖化の悪循環を引き起こすリスクがある。

WMOのコ・バレット副事務総長は、「自然の気候変動が炭素循環における重要な役割を果たしてきましたが、気候変動そのものが生態系を温室効果ガスの発生源に変える可能性があります」と述べ、未来の気候システムへの影響に警鐘を鳴らした。

迅速で持続的な行動が必要

CO2は長い寿命を持つため、排出量を急激に削減したとしても、現在の気温上昇レベルが数十年続くと予想されている。排出ギャップを埋めるためには、迅速で持続可能な行動が求められる。

WMOセレステ・サウロ事務局長は、「地球温暖化を産業革命以前の水準より1.5℃上昇に抑えるというパリ協定の目標は、明らかに道筋を外れています。わずかな濃度の変化や1度の気温上昇が、私たちの生活や地球に大きな影響を与えるのです」と述べ、気候変動対策の遅れを非難した。

地球が同程度のCO2濃度を経験したのは、300~500万年前のことで、当時は気温が現在より2~3℃高く、海面も現在より10~20m高かった。

この報告書は、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)への情報提供のために発行されるWMOの主要刊行物のひとつで、現在20号を発行している。

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