世界の多くの地域で水不足が深刻化している。オランダのソーラック社はその解消に貢献する画期的な技術を考案し、実用化に取り組んでいる。
干ばつ地域に貢献する「空気から飲料水」を作る技術
同社は、太陽熱集熱器から得る熱をエネルギー源として、空気中の湿気から廃棄物を一切出さずに高品質の水を大量に生成する装置を開発した。2つのモデルがあり、1つは1日当たり2000リットル、もう1つは5000リットルの生産量を保証している(24時間稼働)。太陽光発電、廃熱発電、送電網からでも電力があれば稼働するので、砂漠地帯も含め世界中のどこにでも設置可能だ。
産業用、水素製造用など装置の用途は広いが、まずは「水不足の地域の人たちに、清潔で安全な飲料水を持続可能的かつ安定的に供給すること」を目指している。
現在、ブラジルの干ばつ地域のために初の本格的なシステムを建設中で、稼働開始は2025年末の予定。この地域では、飲料水はトラックで遠距離輸送されている。しかし、給水トラックはCO2排出、コスト高、水質保証の点で良策とはいえない。この装置はコミュニティ内の新たな水源となり、良い影響をもたらす可能性は高い。
またブラジル以外での設置も視野に入れており、2026年には南米の他の地域、2028年までには世界各国で展開する計画だ。
ソーラック社は、サステナビリティの分野で大きな注目を集めている。4月にパリで開催された国際的な環境展・第8回「チェンジ・ナウ」では、将来有望な企業に贈られるクー・ド・クール賞を受賞した。