BCP策定ガイド

03 優先度の特定

BCP遂行に不可欠な5つのリソース
優先業務を実行するためには、“5つ”のリソースの確保と維持が欠かせません。
  • 人材
    従業員の安否確認システムや緊急連絡網の整備、代替要員の確保、心理的ケア体制などが重要。定期訓練や教育、複数拠点での人材配置も有効です。
  • 情報
    被災状況の把握、顧客・取引先情報、BCP関連資料の保全には、クラウド化や情報共有ツールの導入が有効です。
  • 施設・設備
    オフィスや工場、インフラの維持には耐震補強、拠点の分散化、自家発電設備の導入などが効果的です。
  • 資金
    緊急時の運転資金や復旧費用、保険の備えも重要。金融機関との連携や補助金の活用も検討すべきです。
  • サプライチェーン
    原材料や部品の調達・物流ルートの多様化や代替ルートの確保、平時からの情報共有がリスク分散につながります。
こうした事例と要素を踏まえ、自社の業種や特性に応じたBCPを具体的に構築することが、緊急時にも持続可能な企業活動を支える鍵となります。

続いて、業務を守るための「人」と「仕組み」の準備について見ていきましょう。
業務を守るには“人”と“仕組み”の準備が必要
BCPは、重要業務を特定するだけでは十分ではありません。
その業務を「誰が」「どのように」継続するのかまで、具体的に考えることが不可欠です。
「人」の準備
緊急時には、企業がすべての従業員を完全に守ることは難しく、個々の従業員の判断と行動が重要です。そのため、会社としては「会社が担うべき領域」と「従業員個人が担う領域」を明確に区別し、安否確認の手段を複数用意するなど、柔軟な対応策を整えておく必要があります。

誰が優先業務を担うのかを決める際には、単に総務部門に任せるのではなく、たとえば、会社の徒歩圏内に住み、夜間や休日にも出勤できる従業員を危機管理の中核メンバーとするなど、実情に即した柔軟な体制づくりが求められます。

特に、中小企業のように人員が限られる場合は、部署単位ではなく居住地を基準に担当を割り振ると効果的です。
「人」の準備
「仕組み」の準備
特定した重要業務を確実に継続するには、明確な「仕組み」の整備が必要です。たとえば、「担当者が不在でも対応できるように、代替者をあらかじめ決めておく」「業務手順書を整備する」「必要な設備やデータのバックアップ体制を確認する」といった準備が求められます。

そして、何より重要なのが経営層の積極的な関与です。経営者が自らBCP推進の「旗振り役」となり、組織全体にその必要性を明確に示すことで、従業員の意識も高まり、BCPが実効性のあるものとして機能します。トップの一言には、全社の行動を動かす力があります。

BCPは単に計画をつくるだけでなく、「誰が」「どのように」業務を継続するのかを具体的に考え継続的に見直すことで、有事の際に力を発揮します。
「仕組み」の準備