改善事例
取材日 2015年7月
光熱費など
ランニングコストの削減や、
省エネを推進する
ハンバーガーチェーン店の試み
ハンバーガー専門店『モスバーガー』をフランチャイズ展開する株式会社モスフードサービスさまは、光熱費低減や省エネによる、各店舗の経営効率の向上をめざしています。 対策として電化設備機器に着目し、試験的にモスバーガーR155刈谷店さま(愛知県刈谷市)に電化調理とエコキュート、パッケージエアコンを採用しました。 その導入の経緯とともに、同様の取り組みをおこなっている、ながしま店さま(三重県桑名市)についてご紹介します。
株式会社モスフードサービスさまのグループ会社、株式会社モスフードサービス西日本さまが運営する店舗のひとつで、2010年3月にリニューアルオープンしました。
『モスバーガー』フランチャイズ加盟店のひとつで、有限会社創夢さまが運営しています。2009年7月にオープンしました。
『モスバーガー』を全国に約1380店以上を展開する株式会社モスフードサービスさま。 同社店舗システム部グループリーダー渡邊さまは、「これまで、おいしい商品を提供し、また、快適にお過ごしいただける空間づくりに力を注いできました。 これからは、光熱費の削減や省エネへの一層の取り組みが必要と考え、その一環として、電化設備機器の導入効果を検証するため、R155刈谷店に各種の電化設備を採用しました。
2010年3月にリニューアルオープンしたR155刈谷店さまでは、高効率のインバーターエアコンやLED照明をはじめ、給湯にはエコキュートを採用。 電化厨房には、電気式のフライヤー、グリドル、グリラー、IH調理器などを導入。
また、これまでの低圧受電から高圧受電に切り替え、電化厨房契約に加えて業務用の割引メニューも活用し、ランニングコストの削減を図っています。
R155刈谷店さまでは、導入した各電化設備機器に計測器を設置し、電力使用量などを細かく計測しています。
「目標として光熱費30%の削減をめざしていますが、現段階では目標の達成に向けて順調に推移しています」と渡邉さまが語るようにR155刈谷店では好結果が出ています。
「しかし、全国各地にある『モスバーガー』の各店は、店舗のつくりなどがそれぞれ異なるため、R155刈谷店と同じ効果がすべての店舗で得られるとは限りません。 店舗によってどういった設備を導入するのがベストなのか、慎重に検討していく必要があります。 まずはR155刈谷店で光熱費などの一年間のデータを計測し、その結果を詳細に分析・検証することから着手していきたいと思っています」(渡邊さま)。
株式会社モスフードサービスさまのフランチャイズ加盟店のひとつ、モスバーガーながしま店さま(三重県桑名市)。 同店オーナーの山内さまは、独自の考えで電化設備を取り入れています。
「お客さまはもちろん、従業員にもやさしい店舗でありたい、と思い採用しました。 ランニングコストを削減し、店舗からのCO2排出量を少なくしたいと考えていました。 今回採用した電化厨房は火災などの心配が少なく安全であることと、作業環境を劇的に改善できた点で満足しています」と山内さまは話します。
また、ながしま店では、看板や厨房内などの照明に高効率のLEDを積極的に採用したのをはじめ、さまざま取り組みをおこなっています。
ながしま店では、電化厨房を採用したことにより、働きやすい快適な作業環境を実現しています。
「モスバーガーのさまざまな店舗で働いた経験がありますが、燃焼系の熱源を使用した店舗では夏場の厨房内の温度が40℃以上になり、汗だくになって働くのが当たり前だと思っていました。 電化厨房なら、涼しく快適に作業でき、他の店舗から来たスタッフもみな驚いています。 また火の元がないため火災の心配が減り、安心して作業できる点もよいと思います」と、山崎さま(リニューアル当時のながしま店店長、現・岩塚店店長)は語ります。
また、ポテトを揚げるフライヤーやパテを焼くグリドルなどの電化設備機器は立ち上がりが早く、調理効率の向上とクイックサーブにも貢献しています。
「エネルギーや資源を極力使わないのが本当の意味での地球にやさしい店舗」とのオーナーの考えが徹底して反映されているながしま店では、機器や熱源の電化に加えて、壁面の高断熱化や雨水利用により大幅なランニングコストの削減や省エネを実現しました。
「特に空調で省エネ効果があったと実感しています。 発泡ウレタンを挿入した高断熱壁を採用した効果もあったと思いますが、暑い夏場でも、電気使用量は通常月とほぼ変わりませんでした」(山内さま)
また、雨水の貯水タンク(2トン)も設置しており、その水をトイレや散水などに再利用することにより、水道の使用料は同規模の他店舗と比べて約60%の削減を達成しました。
「食を通じて人を幸せにすること」をめざすとともに、各店舗の安定的な経営を図るためランニングコスト削減や省エネを推進する株式会社モスフードサービスさま。
「高圧受電設備を導入したR155刈谷店と、低圧受電設備で対応しているながしま店とで効果を比較検証でき、光熱費削減などの対策を検討するうえで非常に良いサンプルになると思います。 それらの結果を踏まえながら、さまざまな熱源や設備機器についての理解を深め、各店舗に合った最適な提案をしていきたいと考えています」(渡邊さま)
中部電力ミライズでは、電化設備機器の導入や各設備機器の効果的なオペレーションの方法を含めて、株式会社モスフードサービスさまがめざす光熱費削減や省エネなどの取り組みをお手伝いしていきます。
導入システム
モスバーガーR155刈谷店
モスバーガーながしま店