日本国内では、薄型太陽光開発競争が激化している。国内メーカーでは、25年に量産化を目指す積水化学工業をはじめ、カネカ、東芝、パナソニック、エネコートテクノロジーズ、アイシンなどの各社がそれぞれの特徴・強みを生かし製品開発を取り組んでいる。
積水化学工業
現在、30cm幅のペロブスカイト太陽電池のロールtoロールでの連続生産が可能となっており、耐久性10年相当、発電効率15%の製造に成功している。今後、1m幅での量産化技術を確立させ、2025年の事業化を目指す。
すでに建物壁面への実装工事も行われるなど、実証の取組も進捗が見られており、昨年末には、世界初となる1MW超の建物壁面への導入計画が公表された。
東芝
独自のメニスカス塗布法を応用して作製したフィルム型の薄膜太陽電池(面積703cm2 )において、大面積のものとしては世界最高のエネルギー変換効率(16.6%)を記録した。塗布法を用いることで、エネルギー変換効率の向上と生産プロセスの高速化を両立することが可能になり、現在、高効率かつ低コストなフィルム型の同電池の実用化に向けて開発を進めている。
カネカ
ポリイミドを基板に用い、薄膜シリコン太陽電池の量産技術を活用することで世界最薄水準である約10μm(1μmは100万分の1メートル)厚の超薄型ペロブスカイト太陽電池を開発している。また、この開発を通じてフィルム型ペロブスカイト太陽電池における世界最高水準である20%に迫る変換効率を実現した。
シャープ
同社が取り組むペロブスカイト太陽電池は、タンデム型で30%以上の変換効率を実現できる水準に達し、大面積化した用途に向けたタイプについては、変換効率を20%程度には高めておきたいとしている。大面積化を志向した用途に向けては、880mm×660mmのガラス基板に形成したセル(発電素子)を昨年末に公開している。
パナソニック
シリコン系並みの耐久性を実現し製品化を目指す。今年4月には1m×1.8mの大面積のガラス建材一体型PSCの試作ラインも立ち上げた。大面積化することで生産コストも下がり、デザイン性も向上する。さらに2024年度末には大面積モデルでの実証試験を開始する見込みだ。
また、劣化物資を遮断し、大面積化とともに技術課題の一つである耐久性も高める。建物の窓や側面、ショーウインドウ、トップライトなど、ガラスが使える場所であればどこでも設置できることから、景観を損ねることなく街並みに調和することで不動産価値を高める効果もある。

