2050年の実用化段階、3万6000km地点から送電
地球上空での実験成功を受け、2025年度以降は宇宙空間に舞台を移しての無線送電実験を予定している。地球から400〜500km離れた地点に人工衛星を飛ばし、衛星につけた装置から無線送電する。
2050年の実用化時点では、約3万6000km地点から無線送電する計画だ。JSSの柳川 祐輝氏とともに無線送電の計画を進めた伊地智 幸一氏は「技術的にはほぼ確立できている。あとは検証する」という。
出力100万kW、大規模火力や原発と同等
仮に実用化するとなれば、どのくらいの電力を供給できるのだろうか。柳川氏によると、2.5km四方に太陽光パネルを並べて発電した場合の出力は約100万kW。大規模な火力発電所、原発1基分とほぼ同等の発電能力だという。柳川氏は「こうした2.5km四方の太陽光パネルを複数並べる形を想定しているが、設置場所や周波数の確保で他国などと競合する可能性がある」とみる。
最大の問題はコスト
技術的、理論的には実現可能性が高まってきた宇宙太陽光発電だが、やはり最大の問題はコストである。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、巨大な人工衛星を打ち上げ、大きな受電システムが必要な宇宙太陽光にかかる費用は地上の太陽光、風力発電などと比べ30倍以上のコストがかかるとされている。
(後編に続く)