自然環境の破壊につながるとして批判が絶えないメガソーラーに対する補助金が、2027年度にも廃止される見通しとなった。自民党からの提言を受けて政府が正式に方針を示す。高市 早苗首相は2025年10月の就任以降、メガソーラーを規制する考えを示しており、今後は法的規制も検討される。工場などの屋根上太陽光や次世代太陽光のペロブスカイトをさらに推進する方針も含め、2026年以降の日本の再エネ政策は大きな転換を迫られそうだ。
メガソーラーのFIT・FIP補助金廃止を念頭に
自民党の経済産業部会などによる合同会議は2025年12月15日、メガソーラーに関する政府への提言案をまとめた。提言案には、メガソーラーに関する補助金の廃止を検討する旨の内容が盛り込まれた。補助金というのは、FITやFIPを軸にした制度を念頭に置いたものだ。
赤沢 亮正経済産業相は自民党の提言案について、「経産省は再エネ導入に力を入れて進めているが、地域との共生が大前提だ。政府としても不適切なメガソーラーに対して厳格に対応するという方針は共有している。党からの意見をしっかりと受け止め、関係省庁との連携を図りつつ、年内には施策の取りまとめを目指したい」と述べ、メガソーラーの規制に政府としても取り組む考えを示した。
赤沢経産相「検討を加速する」
赤沢大臣はFIT・FIP制度におけるメガソーラーの支援のあり方についても、「技術の進展状況、支援の必要性、価格なども含めて関係審議会において議論を開始している。検討を加速したい」として、補助金の廃止を含めた対応を協議する。
再エネ目標達成へ、40年までに2~3倍の太陽光必要
政府は2025年2月にまとめた第7次エネルギー基本計画で、電源構成のうち太陽光発電の比率を2040年度に2〜3割に引き上げる目標を掲げる。23年度の太陽光比率は約10%のため、単純計算で現在の2〜3倍の太陽光が必要になる。政府は自然破壊につながるメガソーラーの開発を抑える一方、2026年度からは消費電力が多い事業者に対し、工場や店舗の屋根上太陽光パネルの設置目標の策定を義務付ける。さらに薄くて軽量、曲がるという性質を持つ次世代太陽光「ペロブスカイト太陽電池」の開発や普及に力を入れる方針である。
日本の太陽光発電は2012年に導入されたFITによって導入を促進してきた経緯があるが、今後はFITに頼らない、需要家に直接電気を売る「非FIT」開発を強化する。政府は2022年にFIP制度を新たに導入。これにより、電力市場の価格動向や電力需要に合わせた再エネ供給・導入ができるような体制に徐々に移行し、脱炭素を進めたい企業が直接再生エネを発電事業者から確保することが基本になる。
国内に約9000カ所のメガソーラー 今後は「脱・メガソーラー」へ
国立情報学研究所や資源エネルギー庁によると、メガソーラーと呼ばれる出力1MW以上の太陽光発電所は約9000カ所ある。これらの多くはFITによる支援によって拡大してきたが、今後はFITやメガソーラーに依存しない形での再エネ拡大が必要になる。
メガソーラーについては、全国で森林・山林を切り開くような環境破壊が相次ぐなど、地域住民や自治体との対立が目立っている。特に自然豊かな北海道の釧路湿原におけるメガソーラーは、開発の行き過ぎた事例として批判の声が高まっていた。
政府はメガソーラーへの補助金停止だけでなく、法的規制についても今後検討を重ねる考えだ。2026年はメガソーラーを含め、日本の太陽光発電、再生可能エネルギーの行方を占う意味でも重要な年になりそうだ。