地域に偏在する再エネ電源を活用するために、送配電網の整備が急がれている。一方でメガソーラーの建設を巡って各地でトラブルが相次いでいる上、再エネの主力電源化の「切り札」と期待される洋上風力でも、第1ラウンド公募案件を落札した事業者が撤退するなど、再エネを巡る課題があらためて浮上している。
経産省は2025年12月26日、第78回再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会を開催した。参加した各委員、オブザーバー(電力広域的運営機関、各再エネ事業者団体など)の間で、
- 電力ネットワークの次世代化について
- 洋上風力発電について
- 再エネの地域との共生について
の3項目に関する審議と意見交換を行い、メガソーラーなど太陽光発電設備の事業規律を強化し、地域共生の取り組みを支援する方針などを確認した。
系統整備の方向性と交付金の対象範囲を議論
(1)では、事務局より「電力システム改革の検証を踏まえた制度設計WG」が 地内系統の計画的な系統整備の方向性 、大規模系統整備などに係る資金調達の円滑化などに関する制度的対応の方向性について、とりまとめた案を報告。委員会では案に基づき、再エネ賦課金を原資とした特定系統設置交付金の対象範囲 について議論した。
北海道・東北間直流送電線などの大規模系統整備ではいかに資金を調達するかが大きな課題となっている。そのため、設備の運転開始後に貸付ける広域系統整備交付金を運転開始前に行うことやGX政策における系統整備への貸付け、託送料金の前倒し回収措置などのプランが検討されている。
洋上風力の案件形成を着実に進め、産業基盤を構築
(2)では、日本の洋上風力発電を「黎明期」と捉えた上で、案件形成を着実に進めることで産業基盤を構築していくことと、産業基盤の構築などを通じたでコストダウンを実現することを政策の基本とすることが確認された。
加えて洋上風力発電第1ラウンド公募事業の撤退要因の分析、洋上風力事業を完遂させるための事業環境整備と新たな公募制度について議論した。
(3)では、再エネ発電事業(特に太陽光発電)の事業規律について、以下の項目などを検討した。
- 関係法令を所轄する関係省庁との連携により、事業規律の一層の強化
- 再エネの地域共生を図る取り組み(自治体の再エネ条例制定など)への更なる支援
- 業界団体における自主的な取り組みの促進
メガソーラー、不適切事業には厳格に対応
また、2025年12月23日には経産省、環境省、文科省、農水省、総務省が参加する「太陽光発電事業の更なる地域共生・規律強化に向けた関係省庁連絡会議」が開催されている。
会議では「地域との共生が図られる望ましい事業は促進する一方で、不適切な事業に対しては厳格に対応する必要があり、関係省庁連携の下、速やかに施策の実行を進める」とのメガソーラー対策パッケージが決定された。