リデュースやリユース価値が高まる
循環型社会形成推進基本法(平成12年法律第110号)で定められた循環資源の循環的な利用および処分の優先順位は、第一に廃棄物の発生を抑制(Reduce:リデュース)し、第二に循環資源を再使用(Reuse:リユース)し、第三に循環資源を再生利用(Recycle:リサイクル)し、第四に熱回収を行い、最後にどうしても循環利用できない循環資源を適正に処分することとされている。この考え方に基づき、太陽光発電パネルについても、再資源化を行うよりも前に、リデュースやリユースを行うことが必要である。
太陽光発電パネルは、寿命(20~30年)後でもリユースが可能である。廃棄されたパネルのうち、破損がなく発電性能を維持しているものは、環境省の適切なリユース促進ガイドラインに基づく検査で選別され、中古パネルとして再販または海外へ輸出されている。
再エネ特措法の施行直後の太陽光発電の導入ピークから見込まれる排出ピーク時に対応できる規模の再資源化施設の処理能力を確保する必要がある一方で、ピーク後には当該施設が過剰になってしまうおそれもある。
太陽光発電パネルの再資源化を義務化する制度を検討するにあたっては、こうした背景を踏まえて、使用済太陽光発電パネルの排出ピークの平準化に資する太陽光発電設備の長期安定電源化に向けた取り組みや太陽光発電パネルのリユースの促進も併せて進めていくことが重要である。
埋め立て地の逼迫
廃太陽光発電パネルは、産業廃棄物として扱われ、そのまま埋め立てるか、中間処理(破砕・分離)した後の残渣が処分される。環境負荷や有害物質の懸念から、原則として管理型最終処分場への埋め立てが適切である。
2030年代には年間約50万~80万tもの廃太陽光発電パネルが廃棄されると予測され、これは日本の産業廃棄物の最終処分量の約6~9%に相当するため、埋め立て地の逼迫や不法投棄が懸念される。
管理型最終処分場の建設工期は、造成工事単体で約2~3年を費やす。しかし、用地選定、地元合意、環境アセスメント(環境影響評価)を含めると、計画から供用開始まで10年以上の長期間を要することが一般的だ。
2030年後半に大量発生する廃太陽光発電パネルの処分への対応を考慮すると、その受け皿となる管理型最終処分場の増設・確保が急務となるが、全国の自治体にはその危機感はまだない。
この問題への対策は、一過性のイベントではなく、産業全体での構造転換が求められる。廃棄・リサイクル技術は発展途上であることから、今後日本各地で発生する廃太陽光発電パネルの大規模廃棄をすべて処理できる体制はまだ整っていない。