策定したBCPの運用を日々の経営から切り離して考えてしまっている方が多いのではないでしょうか。しかし、これでは日々の経営とBCP運用の2つを並行して実施しなければならないため、BCP運用にあてる人員・時間が不足し、なかなか運用が進まなくなってしまいます。そのため、日々の経営の一環もしくは延長として位置づけ、運用の効率化を図ることが重要となります。こうした取り組みの例としては、「日々の従業員教育のカリキュラムの中に、重要商品に必要なスキルを習得するプログラムを盛り込む」「情報発信・収集手段として新しく取り入れたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を緊急時だけではなく、平常時のコミュニケーションにも活用し、問題点が発見されたらそれを随時見直す」などが挙げられます。これからBCPの策定・運用に取り組む方や、BCPを策定したが運用ができずに困っている方は、このようにBCPを日々の経営と同じ立ち位置にあるものととらえ、運用方法の検討・見直しをおこなうことをおすすめします。
また、こうした考えの発展として、BCPを活用することで、日々の経営にプラスの効果がもたらされる可能性があることも忘れてはいけません。策定したBCPをホームページに開示することで取引先からの信頼維持・向上につながったり、新規取引の交渉時に策定したBCPをアピールすることで販路拡大につながったりと、BCPの活用方法によっては経営の改善・向上につながる可能性もあります。そのため、あなたの会社におけるBCPの運用方法を確立した後は、BCPを事業継続のための計画書として位置づけるだけではなく、「どのように活用すれば、BCPが自社の経営改善・向上につながるのか?」も検討し、ぜひ、あなたの会社の経営改善・向上に結びつけてみてください。
さらに、BCPを活用することで…
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