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明日からできる!「大事なお客さまになっていただく」マーケティング虎の巻ふと「明日お店を開けたら、いきなり店の前にお客さんの行列ができていないかな……」、「寝ている間に、大型案件の発注が入っていないかな……」などと考えてしまったことはないでしょうか。まさに夢のような状況ですが、それだけに「なにもしないまま実現する」ことは難しいとも言えます。顧客を増やすには、地道なステップを踏んでいくことが欠かせません。今回は、大事なお客さまと出会うための基本ステップをご説明します。
売上を伸ばす要素として「顧客」が非常に重要なことは、ビジネスを手掛ける方ならだれでもご存じでしょう。そして「看板も出さず宣伝もせず、ただお店を開けているだけで、顧客が向こうからやってくる」ということはまずありません。商品を知らない段階から、いきなり顧客になってもらうことはとにかく難しいからです。
例えば、飲食店であれば、メニューには写真を載せるでしょう。小売店であれば、目を引く品をショーウインドウに飾るでしょう。BtoBの企業であっても、ウェブサイトには過去に手掛けた仕事の実績を載せるはず。どれも「商品を知ってもらう」ことが顧客になってもらうための第一歩だからこそ、定着している手法なのです。
中の様子がまったく見えないお店は「入りづらい」と感じるものです。もしその時、「店内に自分が欲しいと思っている商品がある」とわかっていれば、まず少しハードルは下がります。写真入りのチラシやウェブサイトなどで、店内の様子まで知ることができればより入りやすいでしょう。
つまり顧客になってもらうには、「まず商品を知ってもらう」段階か、「店に入り、実際に手に取って試してみる」段階かといった、顧客に応じた細やかなアプローチが重要なのです。
マーケティングの一般的な考え方では、顧客は「潜在顧客」「見込顧客」「新規顧客」「リピーター」「ロイヤルカスタマー(優良顧客)」の5つに分けられます。
商品(サービス)に対するニーズはあるものの、商品を知らない状態の顧客です。
まず「商品を知ってもらう」ことが必要になります。
商品は知っているしニーズもあるが、購入にまで至っていない状態の顧客です。競合他社との差別化など「購入に至る決め手」が必要です。
商品を購入したが、「まずは試してみる」といった意味合いが強く、リピート購入するかは未定という顧客です。「リピートに至る動機」、つまり商品やお店を気に入ってもらうきっかけが必要です。
お店や会社お店を気に入り、リピート購入に至った顧客です。リピーターであり続けてもらうために「商品・お店への信頼の醸成」が必要です。
商品のファンであり、お店のファンであり、リピート購入に積極的な顧客です。売上の安定につながるのはもちろん、新規顧客の紹介や、愛着があるゆえの厳しいフィードバックなど、お店にとって貴重な力添えをしてくれます。ロイヤルカスタマーであり続けてもらうために「商品・お店への信頼維持」が必要です。
ここでは商品視点で分けられていますが、そのためにまず「お店に好印象を持っている」ことは大前提。お店自体の雰囲気のよさ、明るさ、活気、元気なあいさつ、電話やメールでの明快な受け答えなども欠かさないようにしたいところです。
5つに分類された顧客のうち、実際に購入してくれているのは新規顧客とリピーター、ロイヤルカスタマーです。つまり、売上を上げるには「いかに新規顧客を増やすか」と「いかにリピーターになってもらい、最終的にロイヤルカスタマーになってもらうか」を軸に考えなければなりません。
まず、自店は「新規顧客は多いけれど定着しない」のか、「ロイヤルカスタマー(優良顧客)ばかりで新規顧客が増えない」のか、どちらのタイプなのか考えてみましょう。
新規顧客中心であれば「常連になってもらう」ことに注力するべきですし、常連中心であれば「新規顧客を増やす」ことに注力するべきだという方針が見えてきます。
ただ最初にお伝えした通り、いきなり狙い通りの顧客になってもらうことはなかなかできません。まずは「潜在顧客」を「見込顧客」へ、さらに「新規顧客」から「リピーター」、そして「ロイヤルカスタマー」へ……と順番通りに引き上げていくフローが欠かせないのです。
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つながるサービスをご用意しています。ビジエネ会員限定特典もありますので、
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では、顧客を引き上げていくためには何をするべきか。まずは課題を客観的に見て現状把握をしてみましょう。近年ビジネス戦略によく用いられるKGI、KPIをそれぞれ設定するとよいでしょう。
一定期間の売上金額や、店舗であれば来客数など、最終的な目標を数値や数量で示すものです。
店舗であれば客単価や予約数など、KGI達成に必要な中間目標を数値や数量で示すものです。
例えば、飲食店が新規顧客に注力する場合、KGIは「一定期間の新規来客数」、KPIは「新規問い合わせ数(空き状況確認、予約、メニューの確認など)、SNSの投稿がシェアされた数、口コミ高評価数」などが考えられます。一方、飲食店がリピーターづくりに注力する場合、KGIは「一定期間の売上高」、KPIは「リピート予約数、SNSフォロワー数、会員登録数」などが考えられます。
また、数値や数量ではっきりと表れる目標ですから、具体的かつ測定可能なものにすることが重要です。ポイントとして、頭文字を取って「SMART」と呼ばれる次の5項目を意識するとよいでしょう。
Specific(具体的に)
「今日は店頭がにぎわっていい感じ」だと思っていたのに、実際は目立つ商品ディスプレイの写真を撮るためだけに入店した観光客が多く、買わずに退店してしまうし、後日の再訪もないので新規顧客増につながっていなかった」では困りますよね。「感じ」ではなく、例えば「購入客数」や「客単価」など数値や数量で示せる目標を設定しましょう。
Measurable(測定可能な)
うっかりすると「新規顧客・リピーターを分けて測定する仕組みを考えていなかったので、スタッフの記憶が頼り」といったケースも考えられます。初めて来店した方限定の特典や、次回のお買い物で使えるクーポンなど、だれでも測定できる方法を考えておきましょう。
Achievable(達成可能な)
「目標は高く大きく!」も悪いことではないのですが、あまりに途方もない目標ではそもそもお店・会社のメンバーも達成を目指すモチベーションを保てません。楽に達成できる目標にする必要はありませんが、「努力すればなんとかなる」レベルを見定めることが重要です。
Related(さらに上の目標に関連した)
先ほどの「飲食店が新規顧客に注力する」場合を例にすると、最終目標である「一定期間の新規来客数」達成につながる要素として、お店を知るきっかけを増やす「SNSの投稿がシェアされた数」、未訪問のお店への関心を高める「口コミ高評価数」、来店に先がけてお店の詳しい情報を求める「新規問い合わせ数」といった項目が考えられます。こうした関連性を踏まえて目標を設定することが重要です。
Time-Bound(時間制約がある)
目標を掲げて取り組みを行う目的は、実は目標達成だけではありません。取り組みの内容を振り返り、達成できた理由・達成できなかった理由を分析したうえで、次の目標を掲げるというも重要な目的のひとつです。「達成できるまで」とダラダラ続けるのではなく、一定の期間で区切るようにしましょう。
SMARTを意識しながらKGI・KPIを設定していくことで、部下が上司やオーナーの目を気にしたり、経営者が見栄を張ったりした「建前だけの目標」ではなく、「現在のお店にとって本当に適切な目標」が設定されます。また数値や数量で示すことで、やるべきことも明確になり、社員の足並みが揃ってくるのです。
しつこい呼び込みや、忙しい時間帯の営業電話というだけで、商品・サービスを問わず疎ましく思うという人は多いものです。同じように、KGI・KPIを達成するために顧客のニーズや状況を無視した強引なアプローチをとってしまうのは、意味がないどころか逆効果になることもあります。
次回は顧客にマッチしたアプローチをとり、いい関係を築いていくための「認知度向上」の進め方を解説していきます。
今後のサービス向上のためお客さまのご意見をお聞かせください。
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