あなたの会社がBCPを策定・運用することで、さまざまなメリットが得られます。そのひとつに、先述した「緊急事態への対応力」が身につくということがあります。
ただし、BCPへの取り組みによるメリットは、このように緊急時になって初めて発揮されるものだけではありません。BCPを策定し運用することで、日々の経営の実態を再確認することができ、結果として、業務工程の改善や経営管理(在庫管理、顧客管理)の効率化などにつながるというメリットが得られる可能性もあります。そして、このようにBCPの策定・運用を緊急時への備えとしてのみとらえるのではなく、
経営にプラスの効果が出るよう活用していくことが、日々の経営の改善や向上の面からもたいへん重要となります。
実際にBCPを策定や運用したことにより、「経営の改善・向上につながった」もしくは「経営の改善・向上につながるヒントを得た」会社は、 たくさんあります。
BCPの策定や運用は、検討、実施すべき項目が複雑で多岐にわたるなどの理由から、日々の業務と並行して取り組むことができなくなる場合が多いようです。こうした場合、はじめから完璧なBCPを目指すのではなく、まずは自社だけで決めることができる範囲を定め、取り組むのがひとつの方法です。
そこで、本コンテンツでは、次回以降、あなたの会社にとって、最低限必要なBCPの項目はどれかという視点で、検討すべき内容やポイントなどを解説していきます。
本コンテンツを読んでいただき、まずはあなたの会社のBCPへの取り組みの第一歩を踏み出していただいたうえで、さらに取り組む範囲の拡大などを積み重ね、理想的なBCPへと近づけていっていただければと思います。
第1回