第2回 BCPを策定する❶
3. 必要な経営資源の洗い出し
重要商品(中核事業)の提供に必要な経営資源(人、物、金、情報など)は何か?
緊急時でも重要商品(中核事業)を提供し続けるためには、従業員(人)や設備(物)、資金(金)、お客さまリスト(情報)などの経営資源が必要となります。
まずは、重要商品(中核事業)を提供するのに必要な経営資源を洗い出しましょう。
検討にあたっては、例えば、「受注⇒製造⇒出荷」などの業務工程を明確化し、各工程で必要な経営資源を洗い出していきます。なお、ここでいう経営資源とは、人、物、金、情報だけではなく、外部委託業者などの他社およびインフラ(電気、ガス、水道など)も含みます。
重要商品!
A商品の業務工程および必要な経営資源
業務工程
必要な経営資源
受注
- 受発注担当要員(人)
- 受発注システムなどの通信機器(物)
- お客さまリスト(情報)
など
製造
- 設備を稼働するスキルを持つ要員(人)
- 原材料・部品(物)
- 生産施設・設備(物)
- 電気(インフラ)
など
出荷
- 出荷担当要員(人)
- フォークリフトなど の機器(物)
- 受注データ(情報)
- 協力会社(その他)
など
BCPへの取り組み方は企業によってさまざまですが、「何のためにBCPを策定し、運用するのか」という基本方針をしっかり立てることが重要です。
事業が順調なときは「会社にとって何が重要か」「不測の事態では何をするべきか」などといったことには、なかなか目が向かないものです。しかし、何かが起きてから対応を考えていては、事業継続はおぼつかないでしょう。
次ページでは「非常時に備える電力の話」をご紹介しています。
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