電力会社がご提案するBCP策定ガイド

第2回 BCPを策定する❶

第2回 BCPを策定する❶の業種別ポイント

ここまで解説してきたBCP策定のポイントを(「1. 基本方針の立案」~「3. 必要な経営資源の洗い出し」)を業種別にご紹介します。

業種 ポイント
製造業

生活必需品や食料品など、社会機能の維持に関わる商品は、継続して提供することが社会から求められています。そのため、基本方針および重要商品(中核事業)の検討にあたっては、あなたの会社で製造している商品の社会的な位置づけも踏まえ検討することが重要となります。

重要商品(中核事業)の提供の継続を考えるうえで、その商品を生産するための施設・設備は必要な経営資源としてあげられます。また、設備の稼動に特殊なスキルやプログラム(情報)が必要な場合もありますので、経営資源を洗い出す際は、「どのようなスキルを持った人材やプログラム(情報)が必要なのか」もきちんと把握しておきましょう。

卸売業、小売業

生活必需品や食料品など、社会機能の維持に関わる商品は、継続して提供することが社会から求められています。そのため、基本方針および重要商品(中核事業)の検討にあたっては、あなたの会社で扱っている商品の社会的な位置づけも踏まえることが重要となります。さらに店舗内にいるお客さまの安全確保もあわせて考えておく必要があります。

卸売業、小売業は、緊急時でもいかに商品を確保するのかが大変重要となります。そのため、「商品の調達に係る協力会社(商品の調達元、運送会社)」「調達した商品を保管する場所(※)」なども必要な経営資源として洗い出しておきましょう。
※重要商品(中核事業)が常温で保管できない場合は、特に保管場所の確保が重要となります。

宿泊業、
飲食サービス業

たくさんのお客さまが施設内にいる業種であるため、お客さまの安全・安心を第一優先に通常の業務をおこなっていると思います。BCPの基本方針を検討する際も、この延長で、お客さまの安全確保を優先して考えることが望まれます。

重要商品(中核事業)を提供し続けるためには、第一に宿泊場所などの「場所」が必要な経営資源として挙げられます。また、ボイラーの保守管理などを外部に委託している場合は、その保守管理業者が必要な経営資源となることもあるため、外部委託している業務内容についても確認しておくことが重要です。

医療、福祉

緊急時においても事業を継続することが社会的に求められています。また、地震などの災害が発生した時は、需要が高まることも考えられます。さらに、業種特性上、施設内にたくさんの人がいる場合が多いと考えられるため、「社会的要請に応えること」および「お客さま(患者)の安全を守ること」を、基本方針の中でも優先的に考えることが望まれます。

治療や介護には、多量の水が必要となります。加えて、飲料水、洗浄用水など、患者の生命・生活の維持にも多くの水が必要となります。そのため、医療資格者・介護資格者、治療や介護をおこなう場所(スペース)などに加え、「水」も必要な経営資源(物)のひとつとして洗い出すことが重要となります。

参考文献:経済産業省中小企業庁[2012]「中小企業BCP策定運用指針(第2版)」
BCP策定における「設備・機器のポイント」

BCP策定における「設備・機器のポイント」を業種別にまとめました。

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