電力会社がご提案するBCP策定ガイド

第4回 BCPを運用する

全業種共通のポイント

ここまで解説してきましたBCP運用方法のポイントを紹介します。前回までは、業種別のポイントを紹介してきましたが、BCPの運用に関しては、基本的には全業種同じ考え方となりますので、今回は全業種に共通するポイントを紹介します。

運用手順 ポイント
6. BCPの定義

日常の業務を実施していく中で、BCPへの取り組みは、従業員の優先順位がどうしても低くなってしまい、モチベーションが上がらず、なかなか理解してもらえないという悩みを抱えている企業が多いようです。こうした悩みに直面した場合、ただ単に研修などを実施しても社内への浸透が進まなくなってしまう可能性も出てきます。そのため、「どうすれば従業員に理解してもらえるのか」について検討を重ね、あなたの会社にとって最適な教育・訓練を実施していくことが重要となります。そうした活動の例として、「自社のみではなく外部の専門家を活用した研修会を実施する」「訓練日を連絡せずに、突然訓練を開始する」「訓練の最中に白い歯が見えたらやり直しにする」「従業員が必ず目を通す毎月の給与明細の中にBCPのポイントを書いた紙を入れる」といった取り組みを実施している企業もあります。このように、あなたの会社でできる範囲で、教育・訓練のやり方を工夫してみてください。

7. BCPの見直し

BCPを策定したものの、「すでに退社した従業員が代理責任者になっている」など、BCPを見直しできていないことが課題となっている例も多くあります。いっぽうで、一部事例としても取り上げましたが、「既存のマネジメントシステムと並行してBCPを運用する」「BCP見直しの定例会を設置する」「経営会議の場でBCPの見直しも検討する」といった方法により、計画的にBCPの見直しをおこなっている企業もあります。あなたの会社にとっていちばん見直しをしやすいタイミング(基準)を明確にすることが重要となりますので、まずはそこから検討することをおすすめします。

「第5回 エピローグ」では、防災とBCPの再整理、日々の経営とBCP運用の一体化を解説します。

第4回